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銀行員が触れない高利回り領域。ミラリタ(旧エナジーシェアーズ)が年利15%を出せる構造を元銀行員が解説

黒文/黒瀬2026-05-28読了 約7分

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「年利15%」と聞いて、あなたはどう反応するだろうか。

銀行で長年、お客様の資産を預かってきた私の感覚で言えば、まず疑う。世の中に「ノーリスクで年利15%」などという商品は存在しないからだ。だが今回取り上げる事業投資型クラウドファンディング「ミラリタ」は、想定利回り11.5〜30%という数字を、第二種金融商品取引業の登録を受けた正規の枠組みで提示している。

怪しいのか、まっとうなのか。元銀行員の私が、銀行が絶対に扱わないこの領域の構造を、忖度なく解剖する。

なぜ銀行は「事業投資型クラファン」を扱わないのか

まず前提として理解してほしいのは、銀行という組織は「事業の中身に金を貸さない」ということだ。正確には、貸せない。

銀行員時代、融資稟議でひたすら見ていたのは「担保価値」と「過去3期の決算書」と「保証協会の枠」だけだった。事業の将来性? そんなものは融資判断の主軸ではない。担保が取れて、過去の数字が安定していて、保証協会が首を縦に振る案件にしか、金は出ない。

これは銀行の怠慢ではなく、預金者の金を預かる立場として当然のリスク管理だ。だが裏を返せば、「担保化しにくい事業」「過去実績がない新規事業」「短期で資金が必要な事業」には、銀行は永遠に金を出せないということでもある。

ここに大きな資金需給ギャップが生まれる。資金需要はあるのに、銀行の審査の型に乗らない領域。再生可能エネルギー設備、ファクタリング、アート、食品流通、蓄電池——こうした領域の事業者は、銀行の代わりに「個人投資家から直接資金を集める」仕組みを必要としている。それが事業投資型クラウドファンディングだ。

ミラリタが提示する高利回りは、この「銀行が手を出さない領域の資金需給ギャップ」が利回りに転化したものである。怪しいから高いのではなく、銀行が触れない領域だから高い。この構造をまず押さえてほしい。

ミラリタとは何か——運営会社と登録ライセンスの基本情報

ミラリタを運営するのはミラリタ株式会社(旧エナジーシェアーズ株式会社)。2017年11月に設立され、2025年10月1日付で社名変更している。本社は東京都港区赤坂、代表取締役は重田恭宏氏だ。

重田氏は東京大学法学部卒、損保ジャパンの資産運用部門で長年キャリアを積んだ金融のプロである。経歴だけ見れば、銀行員の私から見ても「まっとう」な経歴の経営者だ。

そして最も重要な情報がライセンスである。ミラリタ株式会社は第二種金融商品取引業者として、関東財務局長(金商)第3147号の登録を受けている。これは金融庁の監督下にあるという意味で、無登録の怪しい業者ではないことの公的な裏付けだ。

ミラリタ

想定利回り11.5〜30%の正体

ここからが本題だ。ミラリタが公開している予定利回りは年11.5%から30%。これまでに公開された案件の平均は17.25%、中央値は15.0%とされている(複数の検証メディアの実績集計より)。

不動産クラウドファンディングの相場が3〜8%、ソーシャルレンディングが4〜10%であることを考えると、明らかに高い水準だ。なぜここまで出せるのか。

答えは投資対象にある。ミラリタが扱うのは以下のような領域だ。

これらに共通するのは、「銀行融資が付きにくい」「担保評価が難しい」「短期で資金回転する」という3点だ。再エネ設備は固定価格買取制度(FIT/FIP)で売電収入が見えるが、銀行融資は時間がかかる。ファクタリングは数ヶ月で資金が戻るが、銀行の融資稟議に乗らない。アートに至っては銀行員時代、稟議書を書く想像すらできなかった。

こうした領域は資金需要はあるのに供給が薄い。そのギャップが利回りに乗る。これがミラリタの構造だ。

元銀行員の目で見る「リスクの本丸」

ここまで読んで「面白そうだ」と思った人にこそ、銀行員視点でリスクを伝えておきたい。高利回りには必ず相応のリスクがある。

リスク1:事業失敗時の元本毀損

不動産クラウドファンディングなら、最悪の場合でも不動産という担保が残る。だが事業投資型は、事業そのものが失敗すれば元本が直接削られる。例えばファクタリング案件で売掛先が倒産すれば、回収不能になる可能性がある。アート案件で市場価格が暴落すれば、想定の出口で売れない。「事業が伸びない」「回収が遅れる」「売却が想定より弱い」といった事態が起きれば、分配金が減るどころか元本割れもあり得る。

リスク2:クーリングオフ8日のみ、途中解約不可

申込から8日間はクーリング・オフで解約できる。だがそれを過ぎると、原則として運用終了まで換金できない。1ヶ月で終わる案件ならまだしも、11ヶ月の案件であれば1年近く資金が拘束される。緊急時に引き出せない金であることを覚悟して投資する必要がある。

リスク3:運用実績の蓄積がまだ薄い

ミラリタとして2025年10月にリブランドされたばかりで、ファンド本数の累計はまだ多くない。「第2号ファンドが想定通り償還・分配を実施した」というプレスリリースが出ているが、これは裏を返せば「2号案件までしか償還実績がない」ということでもある。長期実績で判断したい人には、まだ時期尚早かもしれない。

「年利15%」という数字に目を奪われる前に、これら3点は確実に飲み込んでおいてほしい。

ミラリタが向く人・向かない人

以上を踏まえた上での、私の評価はこうだ。

向いている人:

向いていない人:

特に最初の2項目は重要だ。退職金や老後資金で「年利15%」に手を出すのは、銀行員として私は絶対に勧めない。これは商品の良し悪しではなく、リスク許容度の問題だ。

ミラリタを試すなら最低限守る3つのルール

それでも興味があるという人に、銀行員として最低限のルールを提示しておく。

ルール1:少額分散から始める

いきなり100万円を1つの案件に投じるのは論外だ。まずは1〜10万円単位で複数案件に分散し、運用の感触を掴むこと。事業投資型は1案件の毀損が全体に響くので、分散は不動産CF以上に重要になる。

ルール2:公開済み案件の償還実績を必ず確認する

ミラリタの公式サイトで「過去ファンドの償還状況」を必ず確認すること。償還済み案件の元本返還率、想定利回りと実績利回りの乖離、運用期間の延長有無——これらを自分の目で確認してから投資判断をする。

ルール3:投資総額は余裕資金の10%以内に留める

これは事業投資型クラファン全般のルールだ。仮に最大15%の利回りが出ても、元本が毀損すれば計算が合わない。ポートフォリオ全体の10%以内、できれば5%以内に抑えることで、最悪のシナリオでも生活に影響しない設計にできる。

まとめ——銀行員が「絶対勧めない」高利回り商品との付き合い方

ミラリタは、銀行が絶対に扱わない領域に金を流す、第二種金融商品取引業の登録を受けた正規プラットフォームだ。年利11.5〜30%という想定利回りは、銀行が手を出さない事業領域の資金需給ギャップが利回りに転化した結果である。

ただし、これは銀行員時代の私なら「お客様には絶対勧めない」商品でもある。理由は単純で、銀行の窓口に来るお客様の大半が「元本割れを許容できない層」だからだ。退職金、老後資金、教育資金——これらに15%の利回りは要らない。要るのは3〜5%でいいから「絶対に減らない」運用だ。

逆に、「ポートフォリオの一部に高利回り枠を入れたい」「短期回転で資金を回したい」「事業領域に分散したい」という明確な目的を持って、余裕資金の範囲で投じる人にとっては、ミラリタは有力な選択肢になり得る。

会員登録は無料で、登録後に募集中ファンドの詳細を確認してから投資判断ができる。まずは公開済みファンドのスキームと過去償還実績を自分の目で確認するところから始めるのが、銀行員的に納得のいく入り方だろう。

ミラリタ

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※本記事に記載の想定利回り・実績データは、運営会社および第三者検証メディアの公開情報に基づくものです。想定利回りは目標値であり、将来の運用成果を保証するものではありません。事業投資型クラウドファンディングは元本保証のない金融商品であり、投資判断はご自身の責任(自己責任)で行ってください。

本記事は2026年05月時点の公表情報をもとにした情報提供を目的とする内容で、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。投資は元本が保証されず、価格変動等により損失が生じる可能性があります。想定利回りは将来の運用成果を保証するものではありません。最新の内容は各社の公式情報をご確認のうえ、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

黒

黒瀬

投資信託の正体・編集担当。元銀行員の視点から、金融機関が積極的には語らない手数料やリスクの「裏側」を、忖度なしでわかりやすくお伝えしています。

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